ついに…

SIProp Project が量子コンピューターの分野に挑戦します

少し真面目に、挑戦しようとしている「開発の目的と概要」を書きます。

現在、量子ネイティブな開発環境として、量子オペレーションと古典オペレーションの記述がシームレスに表現できる言語はほとんど存在していません。量子アプリケーション・プログラムを開発しようとすると、プログラマはアセンブラ言語を使っているかのようなプログラミングを強いられてしまいます。このような状況を改善するべく、様々な量子プログラミング言語が今後開発されると想定されていますが、現時点では量子プログラミング言語を開発するためのプラットフォームも存在していません。

また、異なる観点として、量子コンピューターの実用化には、様々な技術領域のエンジニアが関わる必要がありますが、現在では、ハードウェアに関連する分野での商業的なアクティビティは非常に少ない状況です。特に、量子ミドルウェア層の開発では、日本は世界から大幅に出遅れていと言われています。国内外でミドルウェア開発ができる経験豊富なエンジニアがいたとしても「量子」という特性に馴染みがなく、自身の専門知識が量子コンピューターに役立つと気づいていないケースが多いです。

このような２つの課題（「量子プログラミング言語」の課題、「量子ファームウェア」の人材適用の課題）を解決するために、本プロジェクトでは、RISC-V量子拡張を定義して、「量子コンパイラ」「量子プロセッサシミュレーター」「量子ファームウェア」を開発します。更に、それらの検証プログラムも開発し、動作検証を行います。量子プログラミング言語を開発しやすくするプラットフォームと、プログラマブルで扱いやすい量子ファームウェアを開発することで、より高度な量子コンピューター・アーキテクチャの実現に貢献したいと考えております。また、非量子分野のエンジニアが、量子ミドルウェアの開発ができることも示していきたいです。そして、より多くのエンジニアが量子情報の分野に関わる契機を与えるようにできれば嬉しいです。

ここでは、開発の様子を随時、公開していく予定でおります。どうぞ宜しくお願いいたします。

（きゃまず蛙）